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お一人おひとり、すべて治療指針と方法が異なります。したがって、個々の具体的な治療は、装置の種類を含めて無数にあります。
一般的な、しかもどなたにも当てはまる内容を「子供の場合」と「大人の場合」で、ご説明をいたしましょう。





成長の盛んな子供では前期治療(自然成長誘導法)後期治療(仕上げ治療)にわけて、本来もって生まれた顔と歯列の成長を引き出します。



前期治療とは、歯ならびの基盤をととのえる筋肉の連携や骨格へのアプローチです。
歯の動きがとても滑らかな方の場合は、前期治療や後期治療の通院間隔を3週ぐらいにして、全体の治療期間を短くする場合があります。
前期治療の期間は、およそ24ヵ月。
4〜5歳の方では前期治療を2回に分けることもあります。
後期治療の期間は、一応の目安として、10〜14ヵ月です。



樹木とおなじくラセンに成長する顔は、生活スタイルや耳鼻科の疾患などのまわりからの影響を受けながら育ちます。そのため成長誘導(Natural growth guidance)はたやすいわけではありません。
歯触りのある食事を楽しむなど、日々実践できるものもありますが、
「オーラルポスチャー」はなかなか身につきません。その解決にむけて特別に開発されたもの…それがバイオブロックです。

十二年前に、夏休みで日本に帰国したふた月の間に上あごを回復、伸び出た下の前歯をもとに戻しました。住んでいる国に戻ってから2年ほどバイオブロックでオーラルポスチャーの習得をしてもらい、とにかく良く歩いてからだの基盤もととのえてもらいました。最近、脳しんとうと首の外傷を自動車事故で受けたので、数ヶ月間は氷枕と一日に一時間以上の連続歩行をして、事なきを得たと聞きます。

一方、写真のように、運動機能とともに鼻の呼吸が活性していて、オーラルポスチャーが良好な場合は、顔の成長が安定していますので、前期治療も後期治療も短い期間ですみます。





小学校の後半から成人では、おもに歯列を整える一括治療を行います。結果も大切ですが、毎回の治療過程は大なり小なり、からだにあらたな適応を求めてすすんでいきますので、もっと大事です



一括治療の期間は、おおむね24ヵ月です。
歯の動きがとても滑らかな方の場合は、通院間隔を3週ぐらいにして、治療期間をおよそ14〜18ヵ月へ短くする場合があります。

それでは安全性を高めた治療とはどんなものか、経過写真で見ていきましょう。




上は治療の前、下はおよそ11ヶ月経過の状態です

1.上のアゴを本来の大きさに回復、次に“バイオプログレッシブ法”にて上の個々の歯を順繰りに誘導しました。
2.たおれこんでいた下の歯を、内側の装置でゆっくりとおこしました。
3.下の歯の表へ装置をつけたのは11ヵ月目のこのときです。
4.このあとは、筋肉と噛み合わせの最終バランスです。

内部ポテンシャルを緩衝する金素材の特性を利用すれば無理なく治療がすすみます。



バイオプログレッシブ法(Bioprogressive Philosophy)

基礎学を含めて、R.M.Ricketts氏がまとめ上げた矯正歯科臨床の体系です。この分野の歴史を語った最後の人であり、「自然は人間よりうまくやってくれるさ」の口癖のどおり、理論よりも経験に照らした実践の人でもありました。“Catch up growth” は遺伝ポテンシャルとして子供の治療に不可欠な概念ですが、幼い頃の彼が、兄弟が多すぎて母親からお乳を飲めなかったひ弱な赤ちゃんブタを大事に抱いて乳を飲ませつづけたところ、ほかの兄弟に成長が追いつく姿をみて、後年この言葉を臨床の世界に提唱しました。

“ゑのころは多くの子供を持たりけり母の胸乳(むなち)の足らぬばかりに”…独自に国学を学び「万葉集新考」を草した野雁(ぬかり 文化十二年〜慶應三年)は、貧窮のなかに世を去った。“ゑのころ”は犬コロ、めでたく母親になった犬を、“ゑのころはこの頃こそは生れしか早く恋するものにぞありける”(ついこの間まで子犬と思っていたお前さんも早いもんだなあ)とも親心で詠んでいる。

ところで、彼は自己認可せずに淡々と生涯現役を貫きました。退職を心待ちにしていた父親が悠々自適どころかその途端に亡くなってしまったのもこれに一因したようです。だから、院長のアタマにも「老後」という言葉がないのです。



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